介護事故と大きく取上げられるものには、二種類あり、一つはあってはならないのですが、故意に引き起こされた事故、そしてもう一つは、見落としやミスが重なって起きてしまったものです。
一見、前者と後者では似て非なるものと思うかもしれません。
しかし、根本的な原因を考えてみると、案外、同じ問題が隠されているといえます。
それは、労働環境の過酷さです。
介護業界では慢性的な人不足もあり、一人一人に与えられる仕事は多く、しかも介護を必要とする人が相手となるので、仕事を待ってもらうことはもちろん、後回しにすることも難しい状況なのです。
そのため、時間的な拘束が長くなりがちになってしまいます。
また、身体が不自由であったり、今までできていたことができなくなると、分かっていても心ない言葉を発してしまったり、悲観的になってしまう人も少なくありません。
心身ともに余裕があれば、受け流せる言葉かもしれないが、毎日の様に心ない言葉を浴びせられ、ギリギリの状態で仕事をしていると、やはり、大きなストレスとなってしまいます。
長くストレスを抱え、抑圧している状態が続くと、思考が麻痺してしまい、ミスをミスと認識しなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
介護の現場は、無自覚の内にストレスを溜め込みやすい環境であると認識することが欠かせません。
そして、ストレスを減らす為に、仕事を分担し、働いている人、一人一人が余裕を持って仕事に取組める様、環境を整えることが望ましいのです。
見落としやミスは忙しさが増すほど起こりやすくなりますし、連絡やコミュニケーションも、余裕が無いと雑になるものです。
そういった状況を改善することが、介護事故を減らし、防ぐ為の一歩といえます。