介護業界におけるリスクマネジメントは、起こりうる介護事故のリスクを十分に把握し、組織的に管理を行なっていくことで、事故を未然に防ぐことを目的としていることはご存知でしょうか。
利用者の安心安全を前提としていますが、介護施設や事業所に所属している職員も守るという取り組みでもあります。
安心安全を確保するリスクマネジメントにおいては、介護事故の報告や介護事故の防止、発生してしまった事故の対応方法のほか、事故対策の委員会の設置や職員教育などといったさまざまな管理体制が必要になります。
これによって、職員と組織がリスクを意識することで、より安全で質の高いサービスを利用者に提供することができるというわけです。
介護サービスを必要とする利用者のほとんどが高齢者なため、高齢者を対象とする介護施設などでは身体機能やバランス機能の低下に伴い、転倒などの事故や病気が発生する危険性が高くなります。
介護現場では、転倒が最も多く発生する事故となっていて、転倒は骨折となる可能性も高いため、転倒予防に留意した接し方をすることが必要です。
この高齢者の転倒の原因を理解し、予測される事故を見つけ出し、スタッフとその対策方法を共有するなどのリスクマネジメントの取り組みが重要となります。
リスクマネジメントでは、リスクの具体的な要因のほかその大きさの分析と評価をし、その分析と評価は安全管理委員会などのスタッフが行なうのが望ましいでしょう。
その後にこの評価に基づき、緊急時の対応などの対策を考え、組織として運用していかれるようシステム化にすることも大切です。